「Bitter」  ミシェル・ンデゲオチェロ

                                
                                 
                                 
                                
                                 
                                 

                          
                                 
                                                                 
                                 
                                                                 
                                 
                                 

暇さえあれば酔っ払い、どこかしらのライブハウスやクラブに入り浸って

いた頃の話。

とある日、偶然、仲がよかった音楽好きの同級生二人と、立て続けに再会し、

そのまま僕の家で語らうことになった。

酒を買い込み、CDもたっぷりある。皆が朝まで、飲み明かすつもりだった。 

                                

ところが。

                                

場が程良くあたたまってきた頃、何気なくかけた1枚のアルバム。

                                

イントロが流れてからというもの、誰一人、口を開くことなくエンディングへ。

そして無言のうちに会はお開きとなった。

話すことはもう何もなかった。

充分だった。

                                

現実は、ひたすら、‘苦い’。 そして、誰しもが・・・。

                                

彼女の歌声は、互いが誰にも見せたことのない部分を媒介にして、僕ら

を一つに紡いでしまった。 それは、感情が沸き立つ以前の、無意識の

世界での出来事だったようにも思える。

                                

あの不思議な夜から10数年経つけれど、いまだに僕にとっての「癒やし」

の基準であり続けている。

                                

アーティストプロフィール http://www.universal-music.co.jp/jazz/artist/meshell_ndegeocello/index.html

                                

文/濱田 やすのぶ

                                

                                

                                

                                

                                

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