暇さえあれば酔っ払い、どこかしらのライブハウスやクラブに入り浸って
いた頃の話。
とある日、偶然、仲がよかった音楽好きの同級生二人と、立て続けに再会し、
そのまま僕の家で語らうことになった。
酒を買い込み、CDもたっぷりある。皆が朝まで、飲み明かすつもりだった。
ところが。
場が程良くあたたまってきた頃、何気なくかけた1枚のアルバム。
イントロが流れてからというもの、誰一人、口を開くことなくエンディングへ。
そして無言のうちに会はお開きとなった。
話すことはもう何もなかった。
充分だった。
現実は、ひたすら、‘苦い’。 そして、誰しもが・・・。
彼女の歌声は、互いが誰にも見せたことのない部分を媒介にして、僕ら
を一つに紡いでしまった。 それは、感情が沸き立つ以前の、無意識の
世界での出来事だったようにも思える。
あの不思議な夜から10数年経つけれど、いまだに僕にとっての「癒やし」
の基準であり続けている。
アーティストプロフィール http://www.universal-music.co.jp/jazz/artist/meshell_ndegeocello/index.html
文/濱田 やすのぶ
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